少人数学級実現のための財政支援を求める意見書

 貧困と格差の広がりなど、子どもたちの心配な状況にきちんと目を向け、教育を受ける権利を最大限に保障するために、少人数学級を前に進めることは不可欠である。
 文部科学省は昨年、2013年度から17年度までの5年間で、中学校3年生までの全学年で35人学級を実現するための教職員定数改善計画を策定した。
 少人数学級実現のための教職員配置については、昨年9月に文部科・学省の検討会議がまとめた報告書の中でも、教育現場の実情を「かつてないほど学級担任の負担は増えている」と指摘し、教育関係者だけでなく、全国知事会、全国市長会などからも定数改善の要望が出されていることにふれ、「子どもたち一人一人にしっかり向き合い、質の高い行き届いた現業、生徒指導を行っていくために」教職員定数の改善をすすめることが「必要不可欠」と強調している。
 安倍政権が設置した教育再生実行会議のなかでも「きめ細かい指導の充実のために30人程度の学級定数改善が必要」との意見が出されている。
 ところが、財務省の諮問機関から「費用対効果の観点から少人数学級の効果が明らかでない」などの意見を受けて、新年度予算案では少人数学級実現にかかる予算は削られている。
 そもそも、「財政効果」や「費用対効果」で論じられる中身ではない。日本の教育予算は世界でも最低水準であり、今日の子どもを取り巻く様々な社会、教育環境を考えれば、よりきめ細やかな教育指導を徹底するために、少人数学級実現は、文字通り欠かせない課題である。
 よって、政府におかれては、当初の計画通り、少人数学級実現にかかる予算措置を確保するよう、強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成25年3月8日
             甲賀市議会議長  村山 庄衛
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣  あて
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣