■「いじめ」「自殺」どう防ぐ 全教などが呼びかけ大津、教職員・市民らがシンポ(2012年8月13日しんぶん赤旗)

 いじめを受けていた中学生が自殺した滋賀県大津市で12日、緊急教育シンポジウム「子どもの『いじめ』『自殺』を考える~『命』を守り安心安全の学校をつくるために」が開かれました。主催は全教滋賀教職員組合、滋賀県公立高等学校教職員組合、新日本婦人の会滋賀県本部。教職員をはじめ、新聞やチラシを見てきた市民ら165人が参加しました。

 パネリストは子ども専用電話「チャイルドライン」の活動をするNPO法人CASNの谷口久美子代表、県内の小中学校に子どもを通わせる篠崎由紀さん、県内中学校で教員歴30年の大平浩樹さん、少年事件、児童虐待などにとりくんできた京都の弁護士の吉田雄大さんの4氏。滋賀県の元教師で北海道教育大教職大学院教授の福井雅英さんが司会を務めました。

 それぞれの立場から、今の子どもたちの非常にもろい人間関係やまわりに「助けて」と言いだせない問題、競争社会の深刻さ、学校に余裕がなく子どもと向き合う時間すらとることのできない教師の現状、子どもたちが必ず出している「サイン」を見抜くことの大切さなどが語られました。

 「いじめは犯罪だ」という意見をはじめ、さまざまな立場の参加者から、事件への痛切な思いとともに、どうしたら防げるのか、学校や地域社会に求められることは何か、熱心な討論が続きました。

 福井さんは、「こういう議論の機会を教職員組合がつくったのは大事なこと。きょうの議論を出発点に教師も子どもも死ななくてすむ学校にしていきましょう」とまとめました。