■触れ合う時間確保を 井上議員 教員の多忙解消要求(2012年8月2日しんぶん赤旗)

 日本共産党の井上哲士議員は1日の参院決算委員会で、滋賀県大津市の中学生いじめ自殺問題をとりあげ、「いじめは人間の尊厳を傷つけるもので絶対に許されない」と述べるとともに、学校や教育委員会、警察の対応の問題点と、対応策についてただしました。

 平野博文文部科学相は、「いじめはあるとの認識で、子どもの兆候を見逃さないようにするのが必要だ。今回の事案は、実態把握が適切だったのか、課題があると認識している」と答えました。

 井上氏は、文部科学省調査では、64%の小学校が1年間に1度もいじめがないとしていることをあげ、「1件もないという報告を教育委員会や文科省が公然と認めてきたことに、いじめに無感覚になっている原因があるのではないか」と指摘。文科省の布村幸彦初等中等教育局長は、認知できていないケースがあると述べ、文科省調査で実態を把握できていないことを認めました。

 井上氏は、いじめ克服や命と尊厳にかかわる仕事を優先すべきなのに、数値目標で縛る「教員評価システム」や多忙化が妨げになっている実態を告発した投書を紹介。「子どもと触れ合うことなく、どうしていじめを発見し、解決できるのか」と述べ、多忙化の解消を求めました。

 平野文科相は「教員が多忙であるのは否定しない」と認め、「子どもと向き合う時間を大きくとれるようにするため、定数の改善をしていかなければいけない」と述べました。