■TPPから県民のいのちと暮らし/医療と食を守る県民会議が結成(2012年3月5日)

  会場満杯、200人超   県民会議結成総会の会場いっぱいつめかけた各界のみなさん
 「TPPから県民のいのちと暮らし/医療と食を守る県民会議」の結成総会が5日、大津市内のJA中央会ビルで開かれました。用意された200の資料がなくなり、立ち見の人も出る盛況でした。国民の合意と了解のないTPPには参加しないことを求める一点での恒常的な共同組織が立ち上がるのは画期的です。

 呼びかけ人を代表して、万木敏昭県農協中央会会長が「TPPがいかに危険なものであるか、ご理解いただく活動をよりいっそう強化したい」とあいさつされ、代表世話人の笠原吉孝県医師会会長が、県民がこぞって考え行動する県民会議の重要性を強調。伊藤定勉豊郷町町長が県民会議の結成を力強く宣言しました。

 政党では日本共産党と自民党県議団が参加し、「対話の会」県議も「個人の資格」で参加しました。日本共産党の奥谷和美県委員長は、党議員、党公認の農業委員などがこぞって県民会議に参加し、TPP参加阻止までがんばる決意を表明しました。

 農業会議を代表して田口源太郎彦根農業委員会会長や大津赤十字病院労働組合の中小路さんも決意を述べました。日野町からは、農業委員会を中心に町民会議の結成へ向けた準備が進められていることも報告されました。

 総会は、4月22日に栗東市で、国民の合意と了解のないTPPには参加しないことを政府に求める県民大集会をひらくなど、一大県民運動に広げていくことを申し合わせました。

4月22日に県民大集会
    午後1時半から 栗東市・栗東芸術文化会館「さきら」で


「オール滋賀」は、政府に国民の合意と了解
のないTPPには参加しないことを求める

           「県民会議」結成総会宣言


 政府による「TPP」(環太平洋連携協定)への協議参加表明とアメリカとの事前協議の開始によって「TPP」参加問題が、いよいよ本格的に進められようとしています。

 しかし一方で、この「TPP」参加の問題をめぐっては、国内には大きな意見の違いが存在しています。多くの国民には十分な情報が提供されず国民的な合意が形成されているとは、決して言えない状態にもあります。

 また、一部に、この問題をめぐっての意見の違いが、あたかも農業と工業の対立かのように描き出されていることは、真実を歪めるものです。

 このTPP参加は、日本の農林水産業のみならず国民皆保険を柱とする医療から食の安全までが脅かされ「アメリカ型に国の形が変えられる」危険性をもつものであり、大きな問題を含んでいます。しかも、この協定には、アメリカの企業が事業活動を展開するうえで日本のルールで不利益なものがあれば日本政府を訴えることができるという「毒素条項」や協定の中身について協定締結後4年間は秘密にするという「秘密条項」が存在するという重大な問題も明らかになってきています。

 こうした、重大な問題を含む「TPP」参加が国民の合意と了解のないまま進められようとしていることに対して、すべての県民の皆さんに、これが県民のいのちと暮らし、医療と食の確保と安全にかかわる重大な問題であることを知ってもらい、ともに声をあげ、ともに行動することを呼びかける必要があるとの思いから、県下の農林水産業と医療の関係者ならびに市・町の首長および有識者の有志が大同団結して、「県民会議」の結成を呼びかけたところ、ここに県内各地から多くの個人・団体の賛同を得て、「県民会議」を結成することができました。

 文字どおり「オール滋賀」ともいえる、この「県民会議」は、政府に対して、「国民の合意と了解のないTPPには参加しないことを求める」一大県民運動を進めることを力強く宣言するとともに、この国の将来を考えるすべての県民の皆さん、いのちと暮らし、医療と食の確保と安全を守りたいと願うすべての県民の皆さんが、この「会」に参加いただき、来る4月22日(日)午後1時30分から栗東市「栗東芸術文化会館さきら」で開催する予定の県民大集会に、こぞって参加頂きますことを心から呼びかけます。

      平成24年(2012年)3月5日

               「TPPから県民のいのちと暮らし/医療と食を守る県民会議」


交渉参加阻止に向け、最後までみなさんとともに
           日本共産党滋賀県委員会 奥谷和美委員長のあいさつ


 日本共産党県委員長の奥谷でございます。TPP問題で、このように、幅広い団体や個人による共同組織ができたことは、全国津々浦々で広がる運動と結んで、政府の暴走を食い止める大きな力になるものであり、ほんとうにうれしく思います。日本共産党は、県民会議発足のためにご尽力いただいたみなさんに、心からの敬意を表するとともに、私をはじめ、県下の議員、農業委員などがこぞって参加し、交渉参加阻止に向けて、最後までみなさんとともにたたかう決意を申し上げます。

 野田首相は、昨年11月に、TPP交渉参加を表明した際、世論に追い込まれて二つの言い訳をしました。一つは、「情報収集の説明責任を果たし、十分な国民議論を経たうえで、結論を得ていく」ということでした。しかしその後、ニュージーランド政府によって、「TPP交渉国のなかで、交渉文案や各政府の提案、説明資料などについては、最後の交渉会議から4年間は、秘密扱いにする」という合意があることが明らかになり、野田首相も合意文書の存在を認めました。さらに野田首相は、「守るべきものは守る」といいましたが、2月には、政府がアメリカの要求にしたがって、「全品目を交渉のテーブルに乗せる」ことを約束していたことも明らかになりました。これらは、政府がいう、わずかな歯止めさえ、まったくないのだということを明らかにしています。

 TPPに参加すれば、日本と滋賀の食料と農業、医療、政府調達、国民の暮らしなど、あらゆる問題が破壊され、また大きな影響を受けて、すべてアメリカいいなりになります。こういう日本の国を売り渡すような交渉を、しかも秘密裏にすすめる、こうしたやり方は断じて許すわけにはいきません。

 私たちは、一片の道理もないTPP交渉への参加表明はただちに撤回することを強く求め、参加阻止までみなさんとともにたたかう決意を重ねて申し上げて、あいさつといたします。ともにがんばりましょう。