滋賀県知事 嘉田由起子 様
                     2013年8月29日
 あいば野平和運動連絡会  高島市マキノ町白谷 泉勝男 方
 
オスプレイが参加する10月のあいば野日米合同演習に強く反対します
 
 10月上旬からあいば野演習場で計画されている陸上自衛隊中部方面隊と沖縄駐留の米海兵隊による日米共同訓練(合同演習)に、垂直離着陸機MV22オスプレイを参加させると報道されています。
 私達は、10月のオスプレイも飛来するあいば野日米合同演習に強く反対します。
 
 第1に垂直離着陸機オスプレイは、これまで世界各地で事故を起こしている欠陥輸送機です。
 そのため、沖縄県民を初め全国的に反対運動が大きく広がっており、関西でも橋下大阪市長の「八尾飛行場へのオスプレイ訓練誘致」発言に対して、関係自治体から反対の声がまきおこつています。
 今回のあいば野での合同演習で、オスプレイが事故を起こさない保障は全くありません。
 あいば野には年間100日以上、陸上自衛隊八尾基地・明野基地からヘリコプターが飛来しており、低空編隊飛行、騒音公害、墜落の恐怖感等、住民からの苦情は絶えません。
 その上、オスプレイの飛来は、高島市民、滋賀県民を愚弄するもので、絶対に許すことが出来ません。
 第2に、安倍首相や小野寺防衛大臣等は、「沖縄の負担軽減」と称して、「オスプレイ訓練の本土分散」を画策しています。しかし、オスプレイの本土分散訓練は、沖縄の負担軽減になりません。
 なぜなら、MV22オスプレイの沖縄県内での激しい訓練は、普天間基地を拠点に県内全域で繰り返し実施されており、中止されるわけではありません。
 本土分散訓練なるものは、現在日本に24機配備されているMV22オスプレイのうち2〜6機を、岩国基地(山口)とキャンプ富士(静岡)に一時的に移し、全国各地に設定した飛行ルートでの低空飛行訓練や、自衛隊演習場でのへリボーン等の訓練を実施しようとする計画であり、それはオスプレイの墜落事故や騒音公害の、「危険の分散」にはなっても、沖縄の「負担の軽減」にならないことは明らかです。
 ましてや、安倍政権と防衛当局が、「オスプレイをあいば野での日米合同演習に参加させる」ことを口実に、沖縄県知事に対し辺野古新基地建設を容認させようとしていることは許されないことです。
 沖縄の「負担軽減」のためには、オスプレイを、沖縄と本土から撤去させることが必要です。
 第3に、あいば野における日米合同演習は、今回実施されれば13回目になります。
 昨年秋実施された演習には、米陸軍の新型輸送車ストライカーが日本に初めて持ち込まれ、激しい訓練が実施されたことは記憶に新しいところです。
 「日米軍事一体化」の中で、年末に向けて「防衛大綱」と「中期防衛力整備計画」の改正作業が進められ、また「集団的自衛権」の容認、「国防軍」創設と憲法改悪の動きが強まっている時、これまでのヘリコプターの性能と比較しても、より侵略的な機能をもつオスプレイが、今回のあいば野日米合同演習に参加することは、昨年のストライカーの持ち込み以上に、「海外への侵略的な演習」になることは明瞭です。
 第4に、オスプレイのあいば野への飛来は、防災ヘリやドクターヘリの飛行にとって脅威となるとともに、福井原発群を隣接にもつ滋賀県にとって、原子力発電所とオスプレイの「悪夢の事故の組み合わせ」から、市民の生命、財産、生活など、憲法に保障された権利が脅かされることになりかねません。
 
 以上の点から私達は、オスプレイが飛来する可能性が強い、あいば野における日米共同訓練(合同演習)に強く反対し、県民の平和的生存権を守る立場にある県知事として、日本政府及び防衛当局に対し、反対の意思を示されるよう、強く申し入れます。