TPP日野町民集会でのあいさつ                   坪田いくお

 集会参加のみなさん、ごくろうさまです。日本共産党滋賀県委員会の坪田です。
 私、安土町で1町5反の田んぼを持つ現役の農民です。グリーン近江農協の組合員で、地元では農事組合法人の役員もしています。日野町ではTPP問題で町民会議がつくられ、参加表明に対して機敏にこうした集会をもたれたことにほんとうに敬意を表します。
 みなさん、TPPはアメリカ主導で一部の多国籍企業のもうけのためにそれぞれの国のルールや規制を変えようというもの。国と国との壁を取っ払って、多国籍企業がもうける国際環境をつくることがねらいです。もうけのために農業がつぶされる。命や暮らしも脅かされる。国民にとってはまさに百害あって一利なし。私たちはこんな異常な協定には参加するな、こんなバスに乗らなくても日本はちゃんとやっていけると、反対を貫いてきました。
 安倍首相は、参加して交渉で「守るべきものは守る」、「ルール作りに参加する」と言います。武藤さんも今、同じことを言いましたが、どこまで国民を欺くのかと言いたい。TPPは太平洋を取り巻く11の国が関税をなくそう、非関税障壁もなくそう、この二つの原則をお互いに認めてテーブルに着き、16回もの会合を重ねているんです。後から入る日本が「コメを外せ」「牛肉は例外に」などと言ったって通用する話じゃありません。
 昨年、後入りしたカナダとメキシコが、「これまで決まったことについては文句を言わない」、「これから決めることについても口をはさまない」という念書を交わして参加を認められた、ということも明らかになっています。みなさん、まさに交渉の余地などなく、できたルールを丸呑みするのがTPPなんです。
 そして丸呑みするそのルールとは何か? 関税撤廃で安い農産物が大量に入ってきて、日本農業が壊滅的な打撃を受けます。農業がつぶれれば、日野の地域経済もガタガタになるでしょう。食の安全や国民皆保険制度、国の主権までも脅かされます。だから農協だけでなく、医師会や消費者団体、町村会など多くのみなさんが反対の声を上げているんです。
 そして何より、TPPがほんとうにひどい中身だからこそ、自民党も先の総選挙で6つの公約を並べ、これが守れなければ参加できない。TPP反対と、訴えていたではありませんか。あれからたったの3ヶ月、何の担保も、保証もなしに、参加表明をするなど、こんな公約違反は絶対許せません。
 みなさん、「(TPPに)入れて下さい」と安倍さんが手を上げてたからと言って、明日から参加できるわけではありません。11カ国が「入れてあげよう」と認めてはじめて入れるんです。交渉入りは、秋だと言われています。その間に、農業・農家だけの問題でない、すべての国民に関わる重大な問題なんだ、ということを広く国民に知ってもらいましょう。夏には参議院選挙があります。公約破りは許さない、安倍・自民党に鉄槌を下しましょう。
 みなさん、参加表明した日の抗議行動に参加した中学3年生が言いました。「断固反対と言って当選した政治家は恥ずかしくないのか。大人の世界は汚い。僕たちの未来を奪う行為だ」。
 みなさん、弥生時代からつづくコメ作りを終わらせるわけにはいきません。瑞穂の国を守る、中学生が言った「僕たちの未来」を守るのは、私たち大人の責任です。TPP参加を何としても食い止めるために頑張ろうじゃありませんか。私ども日本共産党もみなさんとスクラム組んで、全力で頑張ります。ごいっしょに頑張りましょう。