2012年10月24日
防衛大臣       森本  敏  様
陸上自衛隊幕僚長   君塚 栄治  様
同 中部方面隊総監   河村  仁  様
同 第3師団長     松村 五郎  様
                                  ふるさとをアメリカ軍に使わせない滋賀県連絡会
                         あいば野平和運動連絡会
     あいば野における日米合同演習の開始に抗議する
 
 本日あいば野演習場および今津駐屯地において、米陸軍第25軽歩兵師団第2ストライカー旅団戦闘団第1−14歩兵大隊(約750名)と、陸上自衛隊第10師団第33普通科連隊(約600名)が参加する日米合同演習が開始された。私達は滋賀県民と高島市民を代表して、この演習開始に対して、怒りをもって抗議する。
 
 第一に、この演習に参加する米陸軍第25軽歩兵師団は、過去の太平洋戦争・朝鮮戦争・ベトナム戦争は勿論、近年のイラク戦争・アフガン戦争に出動してきた「歴戦の部隊」と世界で称される侵略部隊である。
 
 あわせて、米陸軍が750名規模でストライカー装甲車を日本で初めてあいば野に持ち込み自衛隊とともに演習するのは、これまで以上に、「日米軍事一体化」や、自衛隊の海外派兵のための実践的な訓練にするためである。
 
 一部の報道機関や軍事専門家が、「(今回の演習は)かなり稀有な事例」で、「(ストライカー装甲車を)訓練を通じて日本で活用しやすいタイプを探る狙い」があると、報道されているように、今回の演習が、憲法違反の「集団的自衛権」への道を更に進めようとする、極めて危険な軍事的行為になる可能性がある。
 
 第二に、あいば野における合同演習は、1986年以来12回目になり、「日米合同演習の常態化」は、憲法で保障された滋賀県民や高島市民の「平和的生存権」を侵すものである。
 
 特に今回の演習に関連して危惧されるのは、8月の米海兵隊員による「強制わいせつ致傷事件」に続いて、10月16日に沖縄県で発生した米海軍兵2名による成人女性に対する「集団強姦致傷事件」等に見られるような、米兵による犯罪の発生である。
 
 事件発生の都度、日本政府は「再発防止」を求め、米軍も「綱紀粛正」を言明しているが、この種の犯罪・事件が繰り返される背景には、日米安保条約があり、「地位協定」とその密約によって、米兵の犯罪を日本の法と司法が裁けない仕組みがつくりだされていることにある。
 
 第三に、先に沖縄に配備され、既に日本国内だけでなく韓国へも飛行している米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV―22オスプレイとの関わりである。
 
 自動回転機能のない構造上の欠陥をもち、世界各地で墜落事故を多発させているオスプレイの配備と飛行に対しては、沖縄県民はもちろん多くの国民が反対している。
 
 しかし政府は、オスプレイの飛行訓練を日本全土で実施する旨言明しており、その場合「日米地位協定」2−4−bの米軍基地であるあいば野での飛行訓練も当然検討される可能性が強い。
 
 私達は、このような危険なあいば野日米合同演習に反対し、繰り返し貴職らに対して要請行動を行い、また「オスプレイ来るな! 日米合同演習反対 10.14あいば野大集会」を開催してきたが、演習開始にあたって、あらためて下記に事項について申し入れる。
 
                 記
 
1 あいば野日米合同演習をただちに中止すること。
2 県民および高島市民の安全を守るために、来演中の米兵を、あいば野演習場および今津駐屯地以外の場所へ絶対外出させないこと。あわせて、「日米地位協定」を改正し、米軍兵士および関係者の犯罪における裁判権を日本側に取り戻すこと。
3 米海兵隊の欠陥輸送機オスプレイの配備と飛行を止めさせること。