■高校統廃合計画の撤回を県教育長に要請(2012年10月11日)


滋賀県教育長 河原 恵 様                      2012年10月11日

       県立高校の統廃合計画を撒回し、高校教育の充実を求める要請書

                       日本共産党滋賀県委員会 委員長 奥谷 和美

 滋賀県教育委員会の「滋賀県立高等学校再編基本計画案」は、これまで積み上げてきた各高校の教育の継承と発展を困難にし、地元住民の期待に反する内容です。一部を修正したとはいえ、「必要に応じて次期以降の実施計画を策定します」と、将来の計画実施を前提とするものです。これでは子どもたちが安心して進路を決めることができず、高校教育を拡充する議論も閉ざします。県民は、県財政の事情から県立高校を切り捨てることを強く批判してきました。統廃合計画は白紙に戻し、地域の支援を土台に、県立高校を拡充する方針を定めるべきです。そのために説明会は、これまで出された県民の疑問に答えるとともに、県民合意なしに強行するものではないことを明らかにすべきです。

 計画案では、長浜北高校を長浜高校に統合する計画では1学年8学級となり、彦根西高校を彦根翔陽高校に統合する計画では1学年9学級の高校が生まれることになります。県教委自身がこれまで「適正規模」としてきた1学年6~8学級の基準からも整合性を欠きます。「学級数は大きいほうが切磋琢磨できる」という考えは、地域の支援のなかで積み上げられてきた教育の成果を後景に押しやるものです。

 長浜高校の福祉学科の成果や、彦根西高校の「学びの共同体」のとりくみは、県教育委員会も高く評価してきたものです。各高校の努力や特色を、「特色ある学校つくり」「生徒の二一ズ」などといって断ち切るのは道理がありません。

 長浜高校内の高等養護学校を長浜北星高校に移転する計画は、高校再編のつごうにあわせたものとして、生徒や父母の怒りをかっています。総合単位制の新能登川高校では、学校運営が成立するかどうかについて見通しがありません。こうした問題を抱えたまま、高校の再編案として一括で説明しようとするのは無理があり、県教育行政として責任ある態度とは言えません。

 県民の同意が得られず修正した計画案を説明するのに、「必要に応じて次期以降の実施計画を策定します」と、事後の方向を無限定に盛り込むこともふさわしくありません。こうした項目を含めるのは適切ではなく、除外すべきです。またこれまで出されている県民の疑問に答え、また計画案を、後項再編ありきで、動かしがたい前提として押し付けることも避けるべきです。

 以上のことから、以下要請します。

             記

 一、県立高校の統廃合計画は白紙に戻し、35人学級の実施など、各高校の教育実践への支援を拡充すること。

 二、説明会は、長浜北高校や彦根西高校の存続など、計画案変更もあるという前提で開催すること。

 三、これまで疑問が出されてきた「適正規模」の考え方や、「大規模でこそ切磋琢磨できる」などの考え方を前提として押し付けないこと。

 四、「県の教育費は全国最低クラスなのに、県財政事情から県立高校を統廃合するのか」など、県民が指摘してきた問題点について検討した結果を示すこと。
                                             以上