あいば野演習場 これまでの日米合同演習(2012年7月23日現在)

(1)1986年11月24日~12月7日

 あいば野で初の日米合同演習。関西でも初。アメリカの対ソ戦略、「海洋戦略」に自衛隊を参画させる日米共同作戦態勢を整えることを目的に、強襲上陸任務の沖縄・第3海兵師団の海兵隊約550人が参加。

(2)1988年11月19日~12月2日

 陸上自衛隊中部方面隊第37普通科連隊(和泉市)543人と沖縄の米海兵隊第3海兵師団の620人。自衛隊側はヘリコプターや戦車、装甲車などのほか、核・化学・生物兵器対処の線量計、化学防護衣を、米軍側は、迫撃砲や対戦車ミサイルなどを装備。戦車やヘリ、F18ジェット戦闘機も参加。攻撃を主体にした近接戦闘訓練。日本唯一の化学防護小隊を持つ自衛隊第7師団(北海道旭川駐屯)も参加。

(3)1991年11月22日~12月4日

 陸上自衛隊福知山駐屯地の第7普通科連隊730人と支援部隊約1000人、米海兵隊沖縄駐留第3海兵師団687人、計2400人。共同作戦能力を高める。自衛隊の61式戦車など車両140台とAH1S対戦車ヘリ、海兵隊の機動展開部隊のA6攻撃機も加わる。へリボーン、陣地への共同攻撃訓練。攻撃ヘリ、ジェット戦闘機F18も参加。ソ連崩壊後も自衛隊の海外派兵ねらうPKO法制定の動きの中で実施。
 
(4)1997年11月4日~17日

 第46普通科連隊(広島県海田市)約700人とハワイ・第25軽歩兵師団の歩兵約480人。初めて関西国際空港を使い、隊員は税関検査を免除された。米側の主要装備は、対戦車火器、迫撃砲。航空自衛隊と米空軍も物資投下訓練に参加。開始式で武田能行幕僚長は「新ガイドライン合意後の初の訓練」、在日米軍D・ロス作戦部長は「訓練参加者は日米安保条約に基づく重要な実行者」と訓示。日米の軍用輸送機C130とジェット戦闘機、戦闘ヘリAH1型機、指揮・着弾確認用のOH6D機、大型輸送ヘリV107型機などが参加。米軍の輸送・攻撃用ヘリUH1が民家上を飛び回った。岩国基地からあいば野演習に参加する米軍ヘリUH1が大阪空港に緊急着陸し、同空港初の軍用機着陸。演習の広域ぶりとともに、民間施設の積極的利用の動きが目立つ。高島病院で米兵が治療を受ける。今津町生見地区約160㌶もあいば野演習場の「日米共同使用の基地」に組み込まれた。

(5)1999年10月27日~11月7日

 ガイドライン法の成立後初の日米共同訓練。第10師団第33普通科連隊(三重県久居市)約750人と第4海兵連隊第3大隊(カリフォルニア州)約800人が参加。海兵隊の戦闘機2機も参加。高島総合病院やマキノ病院に米軍が演習前に戦闘服姿で訪問。これまでは自衛隊のあいさつ程度だった。ゴードン・ナッシュ准将は「いずれ、両軍が肩を並べて戦場に立つようになるだろう」「朝鮮半島にいる我々の共通の敵のために、戦う準備をしておかなければならない」とのべた。

(6)2000年11月2日~18日

 陸上自衛隊第15普通科連隊(香川県善通寺市)約730人と米陸軍第25軽歩兵師団1-27大隊(ハワイ州)約550人が参加。演習場で投下訓練、帰還途中だった横田基地の米軍輸送機が、演習場外の竜王町や草津市などで航空法違反の低空飛行。サリンなどの有毒化学物質散布を想定した「化学戦争」訓練も実施。米陸軍第25軽歩兵師団は「市街戦、ゲリラ制圧を任務とする部隊」といわれる。


防毒マスクでの訓練。防毒マスクは自衛隊員の標準装備だ



(7)2003年10月27日~11月9日

 陸上自衛隊第36普通科連隊(伊丹市)約800人とアメリカ軍第3海兵師団第2-6大隊(沖縄キャンプシュワブ)約850人が参加。放射能検知機や毒ガス検知機を持ちこんだ除染訓練なども実施。開始式で自衛隊や海兵隊が「日本もイラク派兵を検討している中で、今回の訓練は、日米共同作戦の向上やアジア・太平洋地域の安全保障に貢献する」と訓辞。自衛隊のイラク派兵を前に、海兵隊と後方支援を含め自衛隊約4000人という過去最多の演習となった。







(8)2006年2月19日から3月3日







 
射殺した兵士にも油断してはならないと後ろから対処を教える米兵 白のブーツが米兵、黒いブーツが自衛隊員 これが殺人訓練でなくて何か

日本原演習場(岡山県)と同時進行で実施。第13旅団第8普通科連隊(鳥取県米子市)約200人、米第23海兵連隊第1大隊C中隊(テキサス州)の約200人が参加。演習場内に07年建設された都市型訓練施設を使い、ビル突入、射撃、制圧訓練が実施された。JRを迷彩服姿の米兵と自衛隊員が利用。日根野伸一連隊長が「日米双方の戦い方をよく理解し、互いの信頼と友好関係を築こう」、海兵隊マーク・サモリー大佐が「陸上自衛隊は米国にとって頼もしく、力強いパートナー。アジアに展開する海兵隊にとって中隊訓練は最も重要だ」と述べた。


JR近江今津駅。米兵と自衛隊員が迷彩服で横行するのは、もはや「普通の」光景だが、住民がそのつど驚かされることは変わらない




(9)2008年11月28日~12月12日

 陸上自衛隊第17普通科連隊(山口県)の約200人と在沖縄のアメリカ海兵隊、第3海兵展開部隊第31機動展開隊の約220人が参加。小銃や機関銃、対人狙撃銃、対戦車誘導弾、迫撃砲、百五十五㍉りゅう弾砲、74式戦車、ヘリコプターなどを使い、至近距離射撃、第一線救護、小隊の攻撃訓練。海兵隊のドット・コシアン中佐は「今回の訓練の教訓と経験は将来、共同して作戦を実行する際に必ず役に立つ」と述べた。


発煙筒の煙の中を突入する市街戦訓練


(10)2009年10月9日~18日


 自衛隊第3師団第7普通科連隊(京都府福知山市)の約680人と米軍第42歩兵師団第1-69歩兵大隊(ニューヨーク州兵)約200人。日米ともに政権交代があったなかで2年連続の合同演習。演習場外を装甲車など軍用車両が武装態勢で走行。

(11)2011年2月20日~3月6日

 新防衛大綱が「動的防衛力」に強化されるなか、米海兵隊第3海兵後方群第9工兵支援大隊(沖縄県キャンプハンセン)約170人と陸上自衛隊第15普通科連隊(香川県善通寺市)約180人が参加。防衛省はこの演習で沖縄普天間基地のヘリ訓練の実施を米軍に提案し、地元高島市が抗議。


民家密集地域を飛行することは自衛隊も表向きは禁止しているというが、現実は・・・(大津市内中心部)

⑫2012年10月下旬から11月上旬実施を自衛隊が発表

 米陸軍第25師団第1-14歩兵大隊が参加する予定。