■県教育長の高校再編計画推進発言への長浜市議会の抗議意見書(2012年6月22日)

                                           (全会一致で採択)
滋賀県立高等学校再編計画に関する意見書

 「滋賀県立高等学校再編実施計画(原案)」については、長浜市及び長浜市議会、滋賀県議会、県内各市民団体等から白紙撤回を求める意見書や決議、要望が相次いで提出され、これまで2年にわたり延期されている。

 そもそも「滋賀県立高等学校再編実施計画(原案)」の公表 によって混乱が生じたのは、 県教育委員会が広く地域の声を聞かず、あまりにも 拙速かつ粗略な進め方で計画原案をまとめ、唐突に発表したためである。長浜市では、議論の根底に置くべき地域ニーズや意見を地域の総意として県及び教育委員会に届けるべく、有識者や関係団体からの代表で組織する「長浜の未来を拓く教育検討委員会」を組織し、地域の声 を広く求め、民主的に議論を進めてきた。その進め方についは、県会文教・警察常任委員会との意見交換で非常に高い評価をいただところでもある。

 ところが 、6月14日付けの新聞で、県教育長は「原案どおり進める」「9月中に計画案を立てる」ことを言明したと報道されている。このような県教育長言動は、長浜市及び長浜市議会、滋賀県議会、地域の声を蔑ろにするもであり、これまでの進め方と同じ轍を踏むものである。また 、県教育長の「今秋までに提示しないと中学三年生の進路決定に影響がでる」との発言は、まさに県教育委員会当局の都合を正当化するため生徒の進路や将来を天秤に かけた姑息な論理のすり替えでしかない。今後、数年間は、県全体でも湖北地域でも中学校卒業者数がほとんど変化しないことから考えれば、今秋を期限とすることに拘る必要はない ものである。昨年11月に県議会が決議したように、また長浜の未来を拓く教育検討委員会が提言したように、丁寧に時間をかけて議論する中で合意形成することにより県民が不安や不信感を抱くことはないものと思われる。

 今後、県教育長は、軽率な言動を厳に慎み、長浜市と長浜の未来を拓く教育検討委員会が 「第1次提言」として提出した「魅力と活力ある高等学校づくりに向けて ~ 滋賀県立高等学校再編手続きに関する提言~」を尊重し、広く県民の理解と支持を得られる教育ビジョンを描くために県民本位の視点に立ち、民主的な手続きによって万全を期した検討と議論を進められるよう強く求める。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成24年6月22日

滋賀県知事

滋賀県教育委員会 教育長 宛

                                        長浜市議会議長