■日本共産党滋賀県委員会の「大飯原発再稼働中止」を関西電力に求める要請書(2012年3月29日)



                                          2012年3月29日
関西電力株式会社社長 八木 誠 様
                                      日本共産党滋賀県委員会
                                          委員長 奥谷 和美

 大飯原子力発電所3号機、4号機の再稼働中止を求める申し入れ

 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から1年余が経過しました、被災地の現状は、未だにきわめて深刻な事態が続き、とくに原発事故による放射能汚染が復興の困難を増しています。こうしたときに野田内閣は、原発事故の収束宣言を行い、「政治判断」による原発の再稼働を強引にすすめようとしています。「国と東電をはじめ原発関連企業は被災者の立場に立った賠償を急ぎ、復興に責任を果たせ。原発事故は二度と起こすな」という国民の強い声は、貴職にも届いていると思います。私たちは原発の再稼働について、貴職に強く中止の決断を求めるものです。

 福島原発の現状は、原因も、事故の対策も見通せない事態が続いています。ところが貴職は、「大飯原発の再稼働の判断をできるだけ速やかにいただければありがたい。全国の16基の原発について、ストレステストの1次評価が出されているので、速やかな審議をいただけるよう、ぜひ希望したい」と述べたと報じられています。

 「ストレステスト」は、それに関わる電力会社、原子力安全・保安院、原子力安全委員会のすべてが福島事故で重大な責任を問われる立場にあり、とうてい国民の信頼を得られないでしょう。貴社の大飯原発は、近傍の活断層が連動した場合、貴社自身が「限界」だと評価した強い揺れにさらされます。貴社は、この事実を知りつつ、公表してきませんでした。また若狭湾沿岸の津波調査のボーリング調査も、当初、貴社が述べた「ほぼ1年」の調査期間も経ないで、「津波痕跡はなかった」と発表し、専門家は「証明できていない」と批判しています。

 こうした状況で再稼働することは、従業員や国民の命を賭ける危険で乱暴な行為です。

 貴社は、滋賀県や県内自治体から安全協定の締結を求められており、「検討」を約束してきました。滋賀県は貴社の原発から30㌔のUPZに入ることから、当然の課題です。しかし協定は協議もされていません。これは誠実な対応とはいえません。

 滋賀県議会をはじめ、県内の市町議会は「再稼働を認めない」決議や意見書を採択しています。これは、福島原発事故後の対応から、安全基準がないのに再稼働を急ぐ貴社の姿勢に危惧を感じているほか、もし放射能汚染が滋賀に及べば、人的物的被害はいうに及ばず、近畿1400万人の水源であるびわ湖が汚染される大事故にならざるを得ないからです。

 こうした事態はけっして起こしてはなりません。私たちはあらためて貴職に、企業の社会的責任を自覚し、貴職の判断で再稼働を中止するよう強く求めるものです。

                             以上